この度の熊本県を震源とする地震により被害を受けられた方々に、心よりお見舞申し上げます
とともに、被災地の1日も早い復興をお祈り申し上げます。
「午後の音楽café」が開催された当日、熊本地震発災から間もないこともあり、参加されていた
皆さまより「東日本大震災の時にいただいた、たくさんの温かい気持ちに、今度は私たちが
恩返しをしましょう!」と声が上がり、その場で募金をさせていただくこととなりました。
今回のカフェには参加者の皆さま、地域スタッフの方、職員など約80名が参加しており、
募金の総額は16,300円となりました。
後日、日本赤十字社へ「午後の音楽café 参加者一同」による義援金として、預けさせて
いただきましたので、ご報告申し上げます。
募金をしていただきました皆さまのお気持ちに、心より感謝申し上げます。
今回のものわすれの話は認知症介護研究・研修仙台センターの加藤伸司センター長です。
今回の熊本地震の直後から、厚生労働省や報道機関などより『避難所での認知症の人と
家族への支援ガイド』に関わる問い合わせがセンターに入ってきているとのこと。
「センターでは東日本大震災の翌年に、東北3県の避難所において621事例にわたる
調査を実施し、『避難所での認知症の人と家族への支援ガイド』を作成した。それらの
事例によると、認知症の方やその家族が避難所生活の限界を感じたのは平均3日だった。
認知症の方は急激な環境の変化についていけない病気のため、
①安心できる環境づくり(専用スペースの確保、顔見知りの人が近くにいる環境など)
②周りの方の理解とかかわり方(驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない、
介護者へも声かけを)
③“がんばる”避難所での生活には限界があるので二次避難所である福祉避難所へ
移動できる準備を進めていく
ということに配慮することができれば、災害時に認知症の方やその家族、周囲の人が少しでも
楽に過ごすことができるようになることを願って作成したガイドである。
災害以前から地域として認知症に対する理解を深める活動をしていた宮城県のある地区では、
たくさんの認知症サポーターを養成していたため、町民の半数がサポーターとなっていた。
そのようなサポーターの多い地区の避難所では、認知症の方やその家族も比較的穏やかに
過ごすことができていたということも分かった。」との内容でした。
「困ったときにはお互いさま。自分たちも困っているが、そのような時には、より困っている人が
いるので、何か支援をしていただければありがたい。認知症の方にとっても馴染みの人が周りに
いることが大事。そして、その家族のことも支えてくれる、気遣ってくれる人がいると心強い」と、
災害時でも認知症の方への理解を深めておくことで、誰もが身近にできる支援があることを教えて
いただきました。
参加されていた皆さまからは「身近な話でためになりました」「ああ、そうか。と気付かせて
いただくことが多くありました」「災害と関連した認知症の話が聞けて良かったです」などとの
感想が寄せられました。
「プレリュード」から始まり、「ゴルドベルク変奏曲」「愛のあいさつ」「ノクターン」などの
美しくもしっとりとしたピアノの音色に会場全体が引き込まれ、不思議な余韻に包まれました。
そんなすてきなピアノを演奏される佐藤真弓さんですが、実は、この「午後の音楽Cafe」へ
紹介して下さったのは、毎回カフェへ参加されていたお客さまでした。
このお客さまもチェロを演奏される方でしたので、昔からご一緒に演奏をされていたとのこと。
その当時のエピソードも紹介していただき、温かい心のつながりが感じられたひと時でした。
佐藤さんの曲の解説がとても分かりやすく、「曲の名前は知ってたけど、そんな背景で曲が
作られたなんて知らなかった!」とお客さまにも好評でした。
そして、第2部の演奏終了後のアンコール曲は「花は咲く」でした。
東日本大震災の復興支援の曲でしたので、ものわすれの話の内容とも通じ、私たちも5年前の
震災時を改めて想い返し、熊本地震へのエールも込めて、会場全体から自然と歌が沸き上がり
ました。
このような認知症カフェ「午後の音楽café」を通じて、認知症の方への理解を深めることを積み重ね、
「困ったときにはお互いさま」と言い合える関係を築き、誰もが暮らしやすい地域となることを
目指していきたいと思います。
5月も開催いたしますので、どなたでもお気軽にお越しください!
毎回、コーヒーやお菓子などをゆっくりと召し上がっていただきながらお楽しみいただけます🍪 「工房しらかば」の手作りお菓子